仙台フィル 特別演奏会
2月28日に行われた仙台フィルの特別演奏会を聴きに行った。
人気の指揮者山田和樹さんが仙台にやってくるし、ラフマニノフの人気曲が演奏されるということもあるのだろう、会場に来ている聴衆は多かった。
ソロのピアニストを萩原麻未さんが勤めて、ラフマニノフのピアノ協奏曲の第2番が前半のプログラム。出だしのソロのところから「ああ、生で聞く演奏は素晴らしい」とぞくぞくする。何度もラジオやユーチューブで聞いている曲でも、やはり演奏家によって雰囲気はだいぶ違うし、弾き方も随分違う。
萩原さんは、おなかに赤ちゃんがいる中での演奏だ。おなかの中の子どもも、お母さんと一緒に演奏会に来て、音楽を聴いているなんて素敵だ。妊娠をしている女性でも出産の直前まで演奏会に出るというのは、今、かなり普通のことになっているそうだ。もちろん母体はしっかり守られなければいけないと思うが、女性がいろいろなライフステージで、無理なく働ける社会はいい社会だと思う。妊娠した女性に対して、会社を辞めさせるとか、そういう命を大事にしない社会は、命からしっぺ返しを食う。
後半は、チャイコフスキーの第4番。ぼくのド素人的な考えでは、1~3番までの民族的な交響曲がひとくくり、4~6番までの後期のロマンチックなものがひとくくりと考えていて、時にひとくくりの中では、同じようなメロディーとして聞こえてきたりしていたが、会場で聞くと、やはりニュアンスが違うのだということに気づいた。ひとくくりの中では、5番と6番が、有名だし好きなので4番は軽視していたのだが、でも4番もチャイコフスキー節が炸裂。4番の良さがとてもよく分かった。
聴いていると「雪の夜のおばあさんの夜語り」があったり「氷の上で楽しく滑る子供たち」がいたり、情景が思い浮かぶ。これを聞くとチャイコフスキーは子供が好きだったのではと思う。最後は、イタリアの狂騒が爆発する。
指揮者の山田さんが引き出す音楽はもちろん素晴らしいが、山田さん自身のエンターテイメント性にも、大いに楽しませていただいたコンサートだった。
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