2013年3月21日 (木)

若冲が来てくれました

宮城県博物館で、若冲を中心に江戸時代の絵画の展覧会をやっている。このすごいコレクションはアメリカのプライス氏のもので、震災後の被災地を励まそうとのご厚意で特別に貸してくれたものだそうで、だから、子供は無料で見ることができるようになっている、ありがたいものだ。昨日の祝日に、下の娘と見てきた。

若冲のきれいな色で描かれたニワトリなどの有名な絵ももちろんよかったが、それ以外の作者の絵もとてもよかった。まず、墨絵の伝統というのだろうか、一本の筆で書かれた黒い線が、これほどまでに、豊かな表情を生み、豊かな表現を作るのだということに、改めて気づかされた。つい、印象派などの西洋美術などが本物と、私たち日本人は舶来物を尊敬してしまうが、東洋や日本の絵画も本当にすごい表現力なのだということを改めて感じた。安倍首相や、自民党の方々よりも、私は声を大にして「日本人でよかった。日本文化を誇りに思う」と言いたい。

会場ごとに、娘とどの絵が良かったと話しながら見たが、二人の意見が一致したのは、墨で書かれた6頭の馬の大きな屏風図だった。

次に何が良かったかというと、日本人の動物や植物に対する温かいまなざしを感じられたことだ。動物の絵や植物の絵がたくさん展示されていた。ふわふわの毛のサルなど、思わず触ってみたくなるようなものばかりだ。うまい下手というよりも、日本人の自然に対する愛情や優しい気持ちがどの絵にも感じられるのだ。日本人は、やはり自然とともに、生きてきたのだということを改めて感じさせられた。(江戸時代なので、トラの実物を見た画家はいなかったのだろう。トラは皆猫みたいでかわいかった)そういう伝統的な日本人の感性を大切にしていきたい。

最後に、この展覧会が実現する根本となった、コレクターのプライス氏の好意がうれしかった。彼はアメリカ人で、テレビで震災の様子を見て心を痛めたそうだ。そして、遠くにいても私たちの心を慰め、励ましてくれようと、好意を寄せてくれた。その志が何と言っても尊いし、私にはうれしい。正直言って、津波や地震のことは忘れたい。原発事故のことも、原発が制御不能になってまた壊れそうなことも忘れたい。でも、忘れることは出来ない。だが、こういう美術品に触れていると、やなことも忘れられ、元気がもらえたのだ。ありがとう若冲展。

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