UA-92533382-1 第3夫人の髪飾り: よつば農場便り

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2019年11月28日 (木)

第3夫人の髪飾り

ベトナムの映画。

 

映像がきれいで静かな映画。

 

セリフはほとんどない。あったとしてもそれは美しいベトナム語の調べが音楽のように私たちに響いてくるだけ。

 

実は、ハラハラ、ドキドキしていて見ていた。私は、血や暴力や殺し合いシーンを見るのが好きではないからだ。だがそういう予感を孕ませながらも、直接的な暴力は見せない静かな映画。

 

テーマは何だろう。

 

19世紀のベトナムの農村が舞台だから、封建的な社会における女性の置かれた状況とか苦しみということになるのだろうか。でも、映画はそれを声高に主張したりしない静かな映画だ。

 

象徴と暗喩に満ちた豊かな映画だ。

 

生と死と女性と生殖を象徴する「血」の赤がたくさん用いられている。

 

川と川が流れる低い岩屋を行き来する船は、胎内くぐりと生と死の往来。

 

毒草である黄色い花。そして、口と舌をしきりに動かして吸うことを求める赤ちゃん。

 

「男になる」と仏にお願いする幼女。そしてその子の断髪された黒髪が川を流れていくシーン。

 

特に、物語的な筋やクライマックスはないが、目に見えない豊穣の世界とそこにひそめく人間の、そしてその思いも、時間や記憶の中に積み重なっていくという映画。

 

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