UA-92533382-1 ロイヤル・オペラ・ハウス / プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』: よつば農場便り

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2019年8月28日 (水)

ロイヤル・オペラ・ハウス / プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』

英国ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたバレエ『ロミオとジュリエット』のライブ公演が映画館で見れる。お手軽な疑似体験かもしれないが、この傑作を見ることができて本当に良かった。

 

まずは、シェークスピアの悲劇である。バレエ作品であるので、セリフ回しはないが、ストーリーはわかる。対立する敵同士一家の、若者と娘が恋に落ちる。ロミオが、キャピュレット家の舞踏会に忍び込み、ジュリエットと運命的な出会いをする。一家どうしの乱闘の場面もある。ロミオの親友が斃れてしまう決闘の場面もある。ジュリエットが「なぜ、あなたはロミオなの」と言ったはずの有名なバルコニーの場面がある。ジュリエットが神父に相談して毒薬を手に入れる場面がある。死んだように見えるジュリエットを囲んで皆が嘆き悲しむ場面がある。ジュリエットは死んだと思い込んだロミオが毒を仰ぐ場面がある。そして、息を吹き返したジュリエットが、死んだロミオを見て、絶望して死に至る悲劇の最高潮がある。偉大な演劇に触れあえる幸せがある。

 

そして、プロコフィエフの傑作の音楽だ。重厚で、そして不安が漂う音楽は、暗い社会主義・独裁体制の抑圧を反映しているのだろうか。いや、むしろ体制を賛美してないと言って、銃殺とかシベリア送りにならなかったのだろうかなんて考えてしまったが、このバレエ『ロミオとジュリエット』にはぴったりの傑作音楽だ。これを全編、聞くことができた喜びがある。

 

そして、傑作の演劇と音楽を上演する、踊り手たちの力量やすばらしい舞台装置や衣装。最高の演技や演出が見れた喜びがある。原作では、ジュリエットは中学生ぐらいの年齢と驚くべき若さというか早熟ということらしいが、ジュリエット踊ったヤスミン・ナグディがその少女像を見事に踊っていた。ロミオ訳のマシュー・ポールは若々しいし、敵役のティボルトの憎々しさは超一品だった。そして、息子を亡くしたキャピュレット夫人の痛々しい心情を、クリスティーナ・アレステスがよく表現していた。ここは、振り付け・音楽とも素晴らしく胸を打つシーンだった。ロイヤル・バレエ団には日本人もいる。彼女たちを見ることができるのもうれしいし、このグローバル時代に地球人として活躍している彼女立ちにエールを送りたい。

 

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