『老子―もう一つの道』 五十三 政治批判
【自由訳】
知恵があれば、ただ大道を行くことを望むはず。大道は平らかであるのに、人々はわざわざ小道・脇道を行く。上に立つものだけが、衣服を着飾り、飽食しているのは盗っ人と同じだ。
【解説】
大道とは老子の言う知恵。だが、光のあたった大道だけを歩むのを人は好むのだろうか。矛盾や陰影のある道を好むものが後を絶たないからこそ、人間のドラマは尽きないし歴史は動く。
ここで、例の老子の政治批判が出てくる。当時の王侯の横暴さ、人民を搾取しての豪華な暮らしぶりを舌鋒鋭く批判している。
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