UA-92533382-1 ローマ帝国衰亡史: よつば農場便り

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2019年2月18日 (月)

ローマ帝国衰亡史

歴史が好きなので、帝国の衰亡が気になる。イギリスの歴史家ギボンが描いた「ローマ帝国衰亡史」は、大部の大著であるが読んで飽きなかった。大帝国が瓦解する時、そこにどのような原因があるのか、覇権を争ういくつかの帝国が登場してくるのか、それとも帝国の代わりは見つからず、帝国の瓦解後は混とんとした時代がやってくるのか。

現在もある帝国が瓦解している途中であると思われるが、何も帝国最後の皇帝がもっとも愚かな皇帝だとは限らない。むしろ、その3代とか4代とか前の皇帝が最も駄目な皇帝で、帝国を混乱に落としいれ、瓦解の遠因となる例が、古今東西の帝国の歴史には多いと思う。

帝国が瓦解する時、その属国や属州の運命はこれいかに?特に歴史の選択ミスで亡国の帝国に運命をゆだねることを選択してしまった民族は?

さてこれは、ギボンの「ローマ帝国衰亡史」風のおとぎ話なので無視してほしい。「蛮人」というのも、当時のローマ帝国の人たちが単に「自分たちとは違う人」というくらいの意味で使っている言葉なので、特定の民族を貶める意図はない。

ローマ帝国の皇帝トランプニムスは、ゲルマン人の侵入に備えて、帝国の国境沿いに、「壁」を建設することを声高に主張していた。しかしローマの元老院は、壁建設の予算を認めず、トランプニムスはいらだっていた。トランプニムスは、蛮族が帝国に侵入する危機をあおり、ローマ市民の歓心を買い、皇帝に上り詰めた男だ。その際には、元老院の貴族どもが、特権をむさぼりお高く留まっていることを激しく攻撃し、ローマ市民にもっともっと「パンとサーカス」を与えると約束していた。

そんな折、属州のヤポニウムの族長からローマのアカデミーに推薦状が届いた。「偉大な皇帝トランプニウムのおかげで、大ローマ帝国全体の平和が保たれている。トランプニウム皇帝は歴代どの皇帝も成し遂げられなかったほどの平和を名誉ある大ローマ帝国にもたらした。アカデミーから偉大な皇帝への平和への貢献をたたえられ栄冠を与えられるのが望ましい」

トランプニウムは、早速この推薦状を得々として、元老院で披露して、蛮族侵入を防ぐ壁の建設了承を元老院議員たちに求めた。議員たちは冷笑してこの推薦状を問題にもしなかった。そもそもこのヤポニウムという属州は、70年前にローマ帝国に対して反乱を企て、その際は、強力なローマ帝国の軍事力により、街は徹底的に破壊され、住民どもは蹂躙された。反乱を指揮したものはとらえられローマに連行され裁判にかけられ、死刑なり禁固の刑を科せられた。

反乱後の属州の統治をどうするかということになったとき、ローマの軍事顧問たちは、反乱常なき蛮族だから、通常のやり方では、またローマ軍が出動することになり、ローマ市民の子弟が犠牲になる。いっそのこと、罪を許して帰国させてやり、自分たちで統治することを容認し、その恩義を彼らに売り、かつ蛮族に対峙する最前線としてローマ軍の駐留を認めさせるという案が採用され、その時に罪を許され帰国させられ族長にされた男の、孫にあたる男が、今度の推薦状を送ってきたものだから、内幕を知る元老院はしらけ切った態度でこの件を受け止めたのだ。

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