『老子―もう一つの道』 四十 柔弱を尊ぶ
【口語自由訳】
何もまっすぐ突き進むだけが能ではなかろう。強くて鋼(かた)いことだけが価値ではないのだ。そこをよく考えれば「道」というものがわかる。この世のすべては「有」の世界の関連の中から生まれたのではあるが、その「有」そのものを生み出したのは「無」である。このことに思いをひそめてみよ。
【解説】
強くて鋼(かた)いものを尊ぶのが世の常、ならひ。しかるに老子は、柔軟に行くことに価値を置く。堅苦しい表面的な建前だけの世界の背後に、自由で華やかで明るい無碍の世界が広がっている。
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