『老子―もう一つの道』 十二 静かに感覚の門を閉じよ
【口語自由訳】
音の洪水、色彩の洪水、美味飽食は人の感覚を鈍らせる。ここにないものをはるかかなたのどこかに追い求めることは、心身を疲れさせるだけである。富を追い求める過度の心が人の行動を狂わす。至高の人は、自分の外部にあるものを追い求めず、自分の内なる声を聞こうとする。
音の洪水、色彩の洪水、美味飽食は人の感覚を鈍らせる。ここにないものをはるかかなたのどこかに追い求めることは、心身を疲れさせるだけである。富を追い求める過度の心が人の行動を狂わす。至高の人は、自分の外部にあるものを追い求めず、自分の内なる声を聞こうとする。
【解説】
大きな音に慣れると、小さな微妙な音は聞き分け難くなり、派手な色彩に周りを囲まれていれば、微妙な色遣いの違いに気付かなくなる。味付けの濃いものを食べつけていれば、淡白な微妙な味の差異には鈍感になる。感覚は大きなもの、強いものの刺激に引かれすぐに慣れてしまうが、それは感覚が鈍ったのである。
大きな音に慣れると、小さな微妙な音は聞き分け難くなり、派手な色彩に周りを囲まれていれば、微妙な色遣いの違いに気付かなくなる。味付けの濃いものを食べつけていれば、淡白な微妙な味の差異には鈍感になる。感覚は大きなもの、強いものの刺激に引かれすぐに慣れてしまうが、それは感覚が鈍ったのである。
老子は私たちの感覚を守ることを説く。感覚の門を閉じて静かな環境に身を置くことが必要なのではないだろうか。そうすることによって人は自分の内部にあるものを破らずに済む。内面を大事にすれば、今まで聞こえてこなかった声が新たに聞こえてくる。
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