UA-92533382-1 知らずしてわれも撃ちしや: よつば農場便り

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2018年11月 1日 (木)

知らずしてわれも撃ちしや

歌人の永田 和宏氏が今上天皇の御製を解説してくれている。私の場合、『河北新報』に配信されている新聞記事を読んでいる。永田氏の意図のひとつは、今上天皇の御製を通じて平成という時代を振り返ろうとしていることであろう。

 

10月16日付の記事は美智子妃の「知らずしてわれも撃ちしや春闌(た)くるバーミアンの野にみ仏在(ま)さず」という御製の解説だ。

 

この歌の背景を簡単に要約する。バーミアンの石窟仏教遺跡はアフガニスタンにある。偶像崇拝を否定するイスラム教徒により顔をそがれた大仏像が残っていた。昭和46年皇太子・皇太子妃はアフガニスタンを訪問しこの顔のそがれた仏様を見て、歌を残されている。

 

そしてそれから30年後の平成13年に、タリバンによる大仏の爆破は私自身も記憶している、世界中に衝撃を与えた事件であった。

 

表出の美智子妃の歌は、この事件直後に読まれたものと思われるという。

 

永田氏のこの歌の解釈が大変優れていて、私は教えられること大であった。

 

「タリバンを批判することはたやすい。しかし、一方で自分たちはアフガニスタンの民のために何をしてきたのだろう。子どもを含め飢えに苦しみ命を落とした大勢の人々がいるが、世界はそれらに対して十分な援助をしてきたと言えない。仏像破壊に世界は騒いでいるが、その破壊に手を貸したのは、一人一人の「無関心」ではあるまいか、と美智子皇后はこの歌で自問されたのではないか」

 

 

政府主催の明治150年記念式典に出席しなかったのは、天皇ご夫妻と共産党の志位委員長だったというのは、この時代の象徴的な出来事だと思う。靖国神社の宮司もくしくも今上天皇を批判して、「天皇が慰霊の旅を続ければ続けるほど、靖国はダメになるんだよ」といったのは本当に的を射ていると思う。

 

 

戦争で亡くなった人たちというのは、アジアで日本軍の犠牲になった人、そして沖縄で日米両軍の犠牲になった人も含めて、こういう人たちが「お国のために犠牲になった人たち」だ。無謀な作戦を命じて、部下や民間人を死に追いやった人ではあるまい。「寄り添う」ことを考えている今上陛下と、安倍さんや自民党政治のやり方は、まったく正反対のところにいると思う。安倍さんや菅さんが押し進める強権を押し付ける政治に反対の声を上げ続けなければいけないと思う。

 


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