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2018年6月20日 (水)

大人のための「道徳」

子どもの道徳授業が「教科」に格上げになった。どうやって成績をつけるのだろうか。国の方針に忠実な子や政府を批判しない子が高い評価を受けるのだろうか。「道徳」の授業が必要なのは、子どもたちではなくて大人たちの方だと思うので、こんな仮想道徳の授業を考えてみた。

文科省指導要領:「次の副読本の教材を読んで、大人同士で話し合いましょう」

「昔、中国のある人が県知事に任命され、任国に赴くことになった。その人は、任期中に大いに治績をあげるために、世に広く賢人を求めることにした。その人は古くからの友人に声をかけた。「あなたは私の古くからの友人で、苦しい時も私を支えてくれた。この度私は一国の裁量を任され、大いに治績をあげて天子のご恩に報いる必要がある。ついては、私とともに任国に下り私を補佐してくれないか。もちろん、待遇は天下無双のものを用意する」。

それに答えて友人。「お声をかけてくださったことに感謝いたします。しかし、あなたは広く天下の賢人を求め、政治に公正・公平の道を求めていらっしゃいます。もしあなたが私を採用すれば、天下の人はあなたは友人だからえこひいきして私を採用したとのあらぬ疑いをかけることでしょう。そうすれば、天下の賢人自体もあなたのところには集まらず、あなたは政治を私するものだと批判されることにもなるでしょう。私は身を引きます。「瓜田に靴を入れず。李下に冠を正さず」とも言います。あなたが宰相の間は私はあなたに近づくことはしますまい。あなたが、公平・公正な人であれば、良き人は必ずあなたの周りに集まってきます。「桃李おのずから蹊(みち)を成(な)す」とも言います。」

文科省指導の手引き:多様な意見を出し合い話し合うことが大切である。例えば、「その通りで立派な友人だ」という意見もあるだろうし「いいや、能力があるのであれば友人でも採用すべきだ」という意見もあるだろうし、「国難があるときは、国難が優先で、友人だろうが何だろうがそんな議論は必要ない」という意見も出ることが予測される。教室内で児童にしっかり議論させるとよい。


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