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2018年5月17日 (木)

ロイヤルオペラハウス『カルメン』

イギリス・ロイヤルオペラハウスの公演を、映画で配信するライブ・ビューイング。仙台フォーラムで『カルメン』を見た。すべてが名曲ぞろいのこのオペラ。何度見てもよい。

ライブ・ビューイングだと背景説明も専門家がしてくれるのでより深く味わえる。作曲者のビゼーは若くして亡くなってしまった。私は、彼は自身の名声を知ることなく亡くなった悲劇的な作曲家だと思っていたが、すこし、事情は違うらしい。彼は、『カルメン』をパリで初演して、それがあまり評判にならないうちに、半年後に亡くなってしまうのだが、なぜ、あまり評判にならなかったかというと、当時のオペラは、家族で見に行くもので、結婚前のお嬢さんももちろんその中にいた。そういう人に見せるのは、当時としてはばかられるのは、自由奔放に生きるカルメンという女性の造形だった。

 

だから、当時の人たちにはあまり受けなかったかもしれないが、彼の友人や専門家からは音楽はすでに高く評価されていたということだ。また、ビゼーは主演女優の要望や劇場からの要望に応えて、何度も曲を書きなおしている。だから、譜面には版がいっぱいあるそうだ。そこで、世界中の劇場では、どの版のどの曲を使用するかということで、オリジナルのカルメンが聞けて見れるそうだ。

 

さて、ロイヤル・オペラハウスの『カルメン』は、演出が斬新だった。演出家も映像に登場していて、よくある当時のスペインを現実主義的に描写した舞台ではつまらないと言っていた。抽象的で現代風の演出で、舞台中央にある大階段が特徴。写実的ではないので、ナレーションが入る形だった。

 

改めて聞くと、『カルメン』は合唱曲が美しいと思った。群衆役や兵士役で登場してきている人たちも歌のプロ中のプロだろう。場面や情景や情緒に合わせた美しい合唱曲だった。また、ドン・ホセが故郷の母をしのんで歌う歌や、ホセを慕う純情田舎娘のミカエラが歌う歌も、情感がこもっていてよかった。もちろん、有名な序曲やエスカミーリョの歌う闘牛士の歌などたくさん出てくる有名なメロディーは堪能できた。

 

抽象的な舞台であるが、ダンスパフォーマンスは素晴らしかった。しかし、カルメンがゴリラの着ぐるみで登場してくるところや、カルメンが最後ホセに刺されて死んだ後、再び起き上がって「ナンセンス!」のような仕草をする演出は不可解だった。何か、深い意図や意味があるのかもしれない。


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