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2017年9月 3日 (日)

「負け」の心性

仙台の8月は、雨降り続きで雨の連続日数は30数日にわたり観測史上最長だったと聞いた。そんなさえない空模様のように、仙台に本拠地を置く職業野球団「楽天」も、これまでの好調が一転、負けの連続が続いている。
スポーツ、特に団体競技では精神面のプレーへの影響は甚大なものがあると思う。いま「楽天」はチームとしてはやることなすこと、すべてうまく行っておらず、試合に勝てるような気がしない。応援している私も、シーズンが終わるまでこのまま負け続けるような気がする。

試合観戦に行った知り合いの話では、球場ではファンは味方チームに厳しいヤジを浴びせるでなく、負けた瞬間に力が抜けたように「フー」というため息だそうだ。これが、関西の某縞柄ユニフォームのファンであれば、お構いなしに痛烈なヤジが飛んでくるのだろうが。星野元監督も、お客さんはもっとやじって選手を強くしてほしいということを言っていたが、東北の人は優しくてそういうことは出来ないというのも、私にはよくわかる。

思えば、東北の歴史は負けの歴史だ。ヤマトの坂の上田村麻呂に負け、源頼朝に負け、長州藩に負け、近年では、自民党中央政府に核発電所を押し付けられて負け、と敗者の心性に非常に親近性がある。中央から蔑視されているのは、沖縄と似ているところがあるが、抵抗する沖縄のウチナンチュとはまた違った心性がある。

東北人の心性は、やはり粘り強さだろうか。2013年に楽天が優勝した時、たくさんの人が優勝パレードに詰めかけた。楽天の優勝が一種、震災からの復興の象徴になっていたということもあるが、あの年の楽天は、最後まであきらめない粘り強い戦いで、それで勝っていったというところに、東北の人たちは自分を重ね合わせたところがあったのではないかと思う。

だから、今年は今年で、負けの連続、十分、この悔しさも情けなさも、東北人にはわかるが、負けに親近性がある東北人は、この負けを受け入れているのだ。もしこのまま、9月一回も勝てないとしても、私はそれを受け入れるし、来年も応援し続ける。だから則本投手よ、涙を拭いてくれ。


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コメント

ヤジなら、前高と高高の定期戦で飛び交いましたね。
高高はどうか知りませんが、あの頃の前高は、野球場でのヤジがひどいので、前高側のスタンドの群テレのマイクの電源が切られていました。
昭和56年の定期戦で初めて「Vカット」をやった前高のM氏は、野球場に仏壇のおりんを持ち込み、相手チームの選手がアウトになると、おりんを鳴らして、上毛新聞に書かれました。
私も仙台の近くに住んでいたことがありますが、仙台の人たちは、真面目でおとなしいですね。

「定期戦」で、どんなヤジが出たかは覚えてないくらいです。というのも、当時は応援される方で、しかも、都合の悪いヤジは聞こえないようにして、味方の応援だけを聞いていたからです。そういうわけで、味方の応援はすごく力になるし、仙台の楽天の本拠地は、楽天ファンが詰めかけて応援がすごいのですが、何せチームは弱いです。でも、頑張ってほしいものです。

東北地方は、群馬の平野部と違って、裏作が出来ないから、夏の間の天候不順は手痛い打撃ですね。
二十数年前のように、中国やタイあたりからお米をたくさん輸入することになるのでしょうか?

大昔なら、子供の間引きとか娘を売り飛ばすとかあったのでしょうが、今は、高校生の大学進学断念とか、別の形の悲劇があるのでしょうね。
入学難易度が、前高や高高とあまり変わらない宮城県の高校から東北大学に合格するのが至難で、前高や高高の東北大学合格者数がいつも上位に入る、というのも、東北の経済基盤が脆弱であることの現れのように思います。

20数年前のあの雨続きの夏を覚えています。でも、今年は秋に天候が持ち直して、それほどお米が不作ということになるようなことはなさそうです。

確かに、東北大学には、案外群馬県から進学してきます。知らないうちに私も、母校の後輩たちに、仙台市内で会っているのかもしれません。

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