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2017年7月 2日 (日)

美しい日本の言葉たち ― ほのか

(過去の投稿記事から再録)

世の中何が変わるかといえば、日本を代表する新聞社が性愛小説を連載するようになったことだ。朝から美に入り細をうがつ性愛描写が続く。食傷気味となって思い出すのは、奥の細道の遊女の句だ。

一つ家に遊女も寝たり萩と月

謹直な芭蕉のことだから遊女と何かあったということはなかろう。もしかしたら一つ家に泊まったということすら虚構かもしれぬ。しかし、句は夢幻に美しい。言われていない無限の闇が美しい。

秘すれば花というように、本来日本人にはぶしつけな直接性を避ける繊細さを持っていたはずである。物事の微妙な現れである「ほ」(秀)を、心の目で見つめ、そこに言い知れぬ美しき「か」(香)を認めることができたわれわれの祖先は「ほのか」という言葉を残してくれたのである。


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