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2017年6月 4日 (日)

プラトンの国家

プラトンが書いた「国家」。読みたかった本だが読めずにいた。というのも、文庫本でもかなりの厚さがあり、薄くて読みやすそうな「ソクラテスの弁明」とか「饗宴」とかから読んでいて、ついに今まで読む機会を失していたのだ。

しかし5月28日付の朝日新聞を読んでいたら、豊永郁子氏が「季評」というコラムを書いていて、そこにプラトンの国家の要約が載っていてその内容について面白い概要を知ることができた。プラトンが理想とする哲学王が統治する理想政体から、次々と政体が移り変わるという話だったのだ。理想政体の次は、戦士階級が支配する名誉支配制。(今で言えば軍部独裁制に当たるのだろうか)。理由は世代交代で統治者の質の低下が始まり、勝利を善とする武人が勝利するからだ。その次は寡頭制。理由は無教養な支配者たちは富の誘惑に弱いからだ。その次は民主性。理由は寡頭制の下では貧富の格差が国民を分断し、貧民や無頼が現れやがて革命がおこり、支配者たちの政体はひっくり返される。

ここでプラトンが民主性を最高の政体と考えていないことは鋭い。きっとプラトンはアテネの民主性を直接見ていてその危険性を肌で感じていたからだろう。民主性は、誰でも好き勝手なことを言えるなんでもござれの側面があるからだ。民主制の次は最悪の独裁制。理由は、民主性では自由が善で、すべての価値観が平等であり、どんな生き方も称揚され、無頼たちは今や政治家となって民衆の喝采をさらう。彼らの中のひとりを民衆が押し立て他もその一人に従うと、独裁性が誕生する。

ここまでプラトンの著作の概要を知ると、古典とはつまり時代を超えて現代に当てはまるものだということがよくわかる。遠い遠い民主主義発祥の地ギリシャのことを語っているのではなく、今まさに自分たちの生きている時代を言い当てられているみたいだ。ますます「国家」、人づてでなく読んでみたくなった。

ちなみに豊永氏は、民主制の次に来るという最悪の独裁制に注意を促しながら、安倍首相の先見の明に言及している。プラトンが述べた国家の変遷は親子間といった世代の対立がきっかけで起こるという。安倍首相もそこに気付いてかどうか、次世代へのイデオロギー教育の重要性に気付いているというのだ。社会的・経済的な制裁や報酬をちらつかせてイデオロギー的迎合を求めるのは、安倍政権一流の新しい国民へのアプローチだというのだ。

次世代への教育は意外と早く効果を表す。新しい価値観を持った若者を5年、10年のうちに世の中に送りこめる。そうやって支配的イデオロギーを覆すことができる。「美しい国日本」と叫んでいた10年前の成果がいま表れつつあるのだ。森友学園問題で飼い犬に手を噛まれたからと言って安倍さんを侮ってはいけないと警告を発する。この優れた政治家を前に、われわれ自由・博愛・平等を愛するリベラルたちはどう対抗するのかと、豊永さんは厳しく問うていた。


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