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2017年5月18日 (木)

憲法と民主主義

クラシック音楽を聞くことがあるのでNHKFMを聞くことがある。古い話だが、先日の憲法記念日に、NHKFMのニュースでは、ちょっと違った切り口から日本国憲法について伝えていた。FM放送なので、自民党政権の目があまり届かないのか、もしくは志のあるディレクターさんがいるのか。他の曲のニュースと違ったのは、世論調査の結果を引用して、「夫婦別性」と「同性婚」についての賛否の割合が昔と比べてどうなったかを説明していたことだ。

結果は、それぞれ昔と比べて賛成が大幅に伸びている。多様性の尊重、他人の自由を認める日本国憲法で重視された民主主義の精神が、確実にこの日本では根付いてきているというわけだ。なるほど、こういうところからする「護憲」運動もあるのだと思った次第だ。

民主主義の根本的な議論としてはジョン・ロールズの著作に書いてあったことを思い出す。ソ連や中国のような社会主義国家と、民主主義国家との違いは何か。それは、社会主義国家では社会主義を否定する言論は許されないが、民主主義社会では民主主義を否定する言論が許されるということだ。これはもちろん民主主義国家の弱点でもある。ヒトラー政権は、当時世界一民主的な憲法を持った国から合法的に誕生したし、現在の安倍政権も民主主義的手続きを踏んで、人々の内面的自由を束縛し民主主義社会そのものが機能しないような社会を作ろうとしている。

しかし、内面の自由も言論の自由も許されない社会よりは、たとえ民主主義社会を否定する言論だとしても自由が許される社会の方が、ぼくは良いと思う。もちろん、それは民主主義への挑戦だし、民主主義の試練である。だが、その試練をくぐり抜けなければ本物の民主主議は育たない。民主主義の良さは、多様な意見が出て議論することで、より良い選択肢や方向性・可能性が見つかり、社会がダイナミックに発展していけるところだ。自由な言論を封殺したところでは、結局社会は停滞する。

だから、安倍さんや日本会議の皆さんが夢想する、権威者が権威者らしく毅然として威張っていられた懐かしい昔に帰りたいという議論や提案をする権利や自由自体を、この社会は拒否すべきではない。意見をたたかわせて落着するところに落着すればいいのだ。そこで、冒頭のNHKFMのニュース報道だ。ある意味、日本国憲法の精神は国民に浸透している。国民が民主主義を守りたいのであれば、安倍さんや日本会議の皆さんの提案を否決すればよい。ちなみに、安倍さんは若者や女性の味方というポーズをしているが、夫婦別性は、日本の伝統的家族観が崩壊すると言って反対している。これが安倍さん流の女性を大切にするやり方なのかもしれないが。


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