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2017年5月23日 (火)

ポピュリズムとメディア

2017年5月16日付河北新報掲載の佐藤卓己氏「論考2017」が大変参考になる内容だったので、広く伝えたいと思い、その内容を要約する。佐藤氏は、フランス大統領選の結果を紹介しつつポピュリズムの考察を深めていく。フランス大統領に当選したマクロン氏は、ポピュリストのマリーヌ・ルペン氏から見れば「高学歴・ホワイトカラー・国際主義のエリート・利己的な権力者」であり、「われわれ」である「低学歴・ブルーカラー・国民主義の人民・道徳的な勤労者」と「彼ら」は分断されていて、その分断をあおり国民の支持を得るのがポピュリストなのである。

しかし、そのあとの佐藤氏の考察が興味深い。ポピュリズムのさらなる特性は「反多元主義」と「直接代表」。それはポピュリストたちは、自分たちだけが人民を政党に代表していると主張するからだ。そこからどのようなことが起こるか。もともとメディアという語の語源は「中間」とか「媒介」である。よって、ポピュリストたちが嫌うのは直接性の妨害となるジャーナリストや既成政党である。ジャーナリズムは、多様な意見を持つ人たちの多様な意見を反映するので、民主主義社会の健全な多元性を体現しているわけだが、ポピュリストは自分こそが国民を直接代表しているという自負があるので、多元性を体現するメディアを目のかたきにするのだ。

なるほど、そういうわけで、ポピュリストたちは、メディアの報道に対して「偽ニュース」だとか「言論テロ」だとか攻撃するわけなのかと納得がいった次第だ。朝日新聞を言論テロだとするSNSの投稿に、安倍首相が賛意を表したと報じられているが、菅長官も「確認していない」と言っているし、まさか一国の首相がそんなことはしないと私も信じたい。それこそ「偽ニュース」であってほしい。民主主義的な社会にあっては、たとえ、自分の考えに否定的な言論でも、言論する自由は保障されねばならないと私は思うし、民主主義政体を一番体現する立場の人は民主主義の原則はわかっているはずだと私は思うからだ。

もし、そうでないとしたら世界で一番自由がない国と思われている3代目王朝のあの国とこの国はそう変わらないどっこいどっこいの国のような気がしてくる。「共謀罪」についても、法律で犯罪かどうかで決まるのでなく、時の権力者のお友達かどうか、気に入ってもらえるかどうか、権力者の恣意的な判断で決まるのではないかという不安は払しょくされない。


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