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2017年4月27日 (木)

本音の時代

今村復興相が「震災は東北でよかった」と発言したと報じられているが、ご本人が言いたかったことは「もっと人口の多い首都圏で災害が起これば人的・物的被害はさらに甚大なものだっただろう」ということではなかったかと推測する。「東北でよかった」というのは、多くの人の本音を代弁したもので、よくぞ言ってくれたと思っている人も多いのではないか。核発電を推し進める人たちが、東京に核発電を置かないのは、危険なものは東北のようなところであればいいと思っているからだろうし、力の強いものが弱いものにいやなものを押し付けるのは常道だ。

こういう本音を言う政治家こそが人気が出るというのは、このインターネットが発展した時代だからこその現象だと思うし、現在の象徴的なことだと思う。短文投降のツイッターに代表されるように、今日の言論空間は、じっくり相手の考えを聞いて議論するものでない。「レッテル張り」という言葉を安倍首相はさかんにお使いになるが、まさに相手はこういうものだとお互いがレッテルを張って決めつけ、それ以上は良い方向に議論も状況も進展しない。昔、「読書」の中には、書物の筆者と読む自分との間に、深い対話があったが、今のインターネット時代にはそれがない。わかりやすく相手を決め付け、わかりやすい言葉でののしればそれが大衆の人気を博す。

危機をあおり、敵を作って、不安をあおる。これが今のインターネット時代に人気を博する政治の条件だ。フランスのルペンさんやアメリカのトランプさんはそのような政治家だとぼくには思える。そして彼らの言論は泡まつ候補のそれではなく、社会の確かに一定の層から支持されている。日本の状況も似ていると思う。中国や朝鮮の危機をあおれば内閣の支持率は上がる。昔の読書と違って、その危機の原因や元は何だろうというめんどくさい議論や考察は受けないのでしない。そもそも石原さんが離島を国有化したり、相手を追い詰めたりするから自衛のための戦争や核武装ということになったという可能性はないのだろうか。

「美しい日本」が目指す戦前の復古体制だって、アメリカに追い詰められた末に、自衛のための正義の戦争をしたのである。だからこそ、皇軍は無謬でアジアの国民に歓迎され、極東裁判はインチキなのではないだろうか。安倍首相は素早く今村さんを更迭し、素晴らしい危機管理能力と政治家としての卓越した手腕を見せた。フランスのルペンさんやアメリカのトランプさんのような煽動家とはおそらく違った優れた資質や能力を持ち、時代の支持や波も受けているのだろう。ぼくに何ができるわけではないが、安倍自民党政権のこの日本という時代を、世界の片隅で考察していこう。


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