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2017年4月29日 (土)

お嬢さん(アガシ)

「お嬢さん(アガシ)」という韓国映画、シュール(超現実的)な雰囲気を持った映画だ。この映画は何か原作の小説があるらしい。舞台は日帝時代の韓国で、山奥の豪邸に大富豪とそのめいが住み、その生活を女中たちや使用人たちが支える。資産家のこの男、実は韓国人だが、いろいろな手段を使って日本人の貴族の称号を手に入れ、日本人として暮らし、貴族で資産家の姪の財産を密かに狙うというような設定なのだ。

豪邸の中では日本語で会話が交わされる。日本人が見ると、韓国人俳優が演じているので、どうしても母語話者の話す日本語でないとすぐわかってしまうので、違和感は禁じ得ない。でも、もしかしたらこれは、トルストイの「戦争と平和」をアメリカで映画にしてオードリ・ヘップバーンとヘンリー・フォンダが演じたことがあったが、それを見たロシア人が感じるようなものなのかもしれない。

また、セリフがバカに時代がかっているし、文学的すぎるし、衣装も、欧米人が描く典型的な日本人のイメージという感じで、日本人が見ればこれは絶対日本じゃないだろうというかんじなのだが、もしかしたらこれも、蜷川さんのシェークスピアが海外ではバカ受けだが、その蜷川さんが作り出すシュールな日本のイメージを研究してわざと取り入れた、誇り高き芸術作品を狙ったのかもしれない。資産家も姪のお嬢様もいつも皮手袋をしているのだが、やがてその秘密も映画を見ているうちにわかってくる。

この映画は極上のミステリーかつエンターテイメント映画だ。詐欺、というのはある種、人間の知力を振り絞って相手の裏をかこうとする、人間の最高の到達地点を示すものと言えるが、2重、3重のどんでん返しは最後まで見飽きさせない。結末を言ってしまえばネタバレになるので言わないが、18歳以上の人だけが許される、美しいものもたっぷりと見せてもらえるという点でも楽しませてもらえる映画だ。

韓国や朝鮮を憎むようにという世間の圧力は強いが、韓国映画は楽しませるサービス精神が旺盛だ。映画を見て文化交流が盛んになって、単純に、韓国人の俳優さんや女優さんがかっこいい、可愛いということでファンが増えていくのが良いことだと思う。韓国・朝鮮に対して憎い・嫌いという日本人の感情を分析してみると、なんといっても「近親憎悪」が一番だ。つまり、遠くにいる似ていない人のことはなんとも思わないが、近くにいる似ている人は許せない、それは、相手が自分の姿を映し出していて、自分のいやな姿を見せられるのを嫌悪するからだ。そういうわけで、ロシア人とポーランド人も、フランス人とドイツ人も、インド人とネパール人も、よくケンカもしてきたし、相手のことをよく思っていないわけだ。


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