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2017年1月16日 (月)

アナスタシア

アナスタシアはロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世の皇女である。実はニコライ2世は日本にも因縁がある。彼は皇太子の時、日本に来遊し、そこで警備の巡査に暗殺されそうになっている。いわゆる「大津事件」だ。彼はのちにロシア皇帝になるが、ロシア革命により、アナスタシアを含め皇帝一家は、赤軍に惨殺されてしまう。なんと、赤軍の野蛮なことよ。

 

レーニンは皇帝一家を銃殺したことを伏せていたため、ドイツに「アナスタシア」を名乗る女性が現れる。果てして彼女は、ロシア帝国の末裔なのか、それともただの狂気の女なのか?そんな史実を基に、「アナスタシア」というバレエがロンドンのロイヤルシアターで上演され、そのライブ映像がいま仙台の映画館でも見れる。

 

バレエは身体芸術だ。歌劇であれば歌で感情を表現できるし、観客はセリフによって場面が意味していることを理解もできる。映画館でのライブビューイングであれば、気の利いた字幕もでるのでそれを目で追っていけばストーリーも主人公が置かれた状況もとてもよく理解できる。

 

ところがバレエにはセリフもないし、状況説明の字幕もでない。だが、主役を演じたナタリア・オシポアは踊りの表現は素晴らしく3幕によって分かたれたアナスタシアの生涯をとてもよく表していた。1幕目は、アナスタシアの幼いころの幸せな一家の場面。2幕目はアナスタシアが社交界デビューを果たすサンクトペテルブルク宮殿での豪奢な舞踏会の場面とそこになだれこむ赤軍。そして、3幕目はドイツの精神病院での錯乱の場面。怪僧ラスプーチンは全3幕に影のように登場し不気味である。

 

音楽はぼくの大好きなチャイコフスキーなどを引用。ヨーロッパ諸国はお互いに戦争をしあってきたけど、芸術は偏見なく受け入れあってよいものを作っているように思う。ロシアを舞台にした話とロシアの作曲家の曲をイギリスで上演する。他にもフランス、イギリス、イタリアなどもそうだ。イタリアが舞台の話をイギリスの劇作家が劇にして、それをフランス人の音楽家が曲を付けるなど。彼らは戦争のわだかまりとかはどう解消しているのだろう。バレエを見ていてそんなことも思った。

 

アジアだって、中国、韓国、日本やベトナムなど文化的基盤が共通した国々が文学、音楽、舞台芸術などこれからもどんどん刺激しあって新しいものを織りなしていけばよいのにと思う。そう思うと、いたずらに対立をあおりかたくなに過去の過ちを認めない、政権を頭に抱いていることは、ぼくにとってやりきれない不幸な気がした。


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