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2015年7月 3日 (金)

三人吉三

歌舞伎を気軽に映画で見よう。歌舞伎座に行けない地方の人にもありがたい企画として、月に1回「シネマ歌舞伎」が松竹系の映画館で見れる。今月は河竹黙阿弥作の「三人吉三」。あの有名な「こいつは春から縁起がいいや」をはじめ、黙阿弥の流麗なセリフと見得が決まる。黙阿弥が活躍した江戸から明治は、名優と組んで歌舞伎が全盛だったころだ。そんな古き良き時代の歌舞伎が、現代的な演出でもって、楽しめる。そして、それを演じる現代の若手俳優中村勘九郎、七之助、尾上松也。七之助は、声もしぐさも父親の勘三郎に似てきたし、松也は昔の市川雷蔵みたいにかっこいい。

実に豊かな気分にひたれる時間だが、話の内容そのものは、救いようのない悪因悪果の話。そして、現代人にはどうしてもその感覚がずれる義理と人情の話。どうして実の妹に手をかけなければいけないのか?まあ、そういうことはおいといて、日本に河竹黙阿弥がいて、黙阿弥の歌舞伎があるということは幸せなことだ。その素晴らしい演劇を現代の若い俳優さんと、そして特筆すべきは笹野高史!(この人、梨園の人でないのに、凄味のある親分役でとてもよかった。さすが名脇役で、ずっとやって来た人。元気な高齢者の鏡、そして、ぼくのようにちょっと下の世代にとっても、生涯現役でがんばるためのお手本にしたい)のような、いい役者さんで見られることも、幸せなこと。

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