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2014年10月28日 (火)

『人間の条件』第5部・6部―完結編

仙台の街中映画館「桜井薬局ホール」でいよいよ『人間の条件』第5部・6部が上映されていて、これで9時間30分に及ぶ大長編映画もついに完結する。この地味なテーマの映画に、この上映期間中のべ1000人以上の観客があったということを、今日、上映委員会の方から説明があった。地味といっても、天下の松竹が作った映画で、キャストもスターぞろい。仲代達矢の主人公を始め、5・6部では金子信雄、中村玉緒、笠智衆、岸田今日子や高峰秀子も登場する。

舞台はソ満国境で主人公梶の部隊が壊滅し、少人数で撤退するところから始まる。ソ連軍をかいくぐり、南満州の妻が待つところへ戻ろうとして、梶たち敗残兵は荒野や森林を彷徨する。途中、流亡化した開拓民たちと連れ合いになり食料がない開拓民たちは幼い子を失ったり、父親が家族を手に掛けたり、疲労して死んでしまったりと悲惨な末路をたどる。まさに現在にも通じる棄民政策である。軍隊は何を守るためにあるのか?

笠智衆が長老としてとどまる開拓村に来たとき、赤軍に出会い梶たちは降伏して捕虜になる。そして、捕虜として過酷な労働に従事する。不可侵条約を破棄して侵攻したソ連を悪く言い、そしてシベリア抑留の過酷さでソ連をせめる人もいる。だが不可侵条約はどっちみち日本も破るつもりでいたし、立場が逆になればソ連に侵攻していただろう。そして捕虜の扱いの酷さでいえば、日本軍が他国の軍隊を責める立場にいるのだろうか?ソ連のむごい強制労働で、日本人捕虜たちもたくさん死んでいく。なぜ、この人たちは死んでいかなくてはならなかったのだろう。これが、お国のために美しく死んだ「英霊」ということなのだろうか?兵士だけでなく、映画の中ではたくさんの民間人や、女性・子供も死んでいく。それが終戦直後の満州で起こった実態だ。このむごたらしさを見て、「美しい」なんてなんで言えるのだろう。何のために死ななくてはいけなかったのか、何がこれを引き起こしたのか、それを考えるように訴えるのがこの「人間の条件」という小説や映画なのだと思う。

主人公梶は、収容所を脱走し、妻がいると信じる南満州に向けて歩き出すが、途中食べる者もなく、まんじゅうを盗み中国人から「この日本人め」と足蹴にされ、ついに冬の雪原に倒れてしまい、映画は終わる。

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2014年10月25日 (土)

京都でのお話会

京都での保養キャンプ実施団体の「ゴーゴーわくわく』キャンプさんのご厚意で京都に呼んでいただき、「かぜのね」というカフェ・イベントスペースで震災前の暮らしや震災後の暮らしの変化について話をする機会を得ました。事前の段階ではあれも話そうこれも話そうといろいろ考えていたのですが、いざ話そうと思うとなかなかうまく話せないものでした。でも、参加者の方から質問をいただき、それの答えを考え応えることによって、事前に言語化できなかったことが、ぼくの中でまた言葉という形をとって出てきたところがあります。そういう意味では、ぼくも京都の参加者の方から大いに触発されたいい機会を設けてもらったのでした。

「かぜのね」さんでは、ぼくの話の後の夜の部では、オーストラリアでのウラン鉱採掘の問題を取り扱う映画の上映会があり、精華大の先生が詳しく解説してくれました。映画は1998年に作成されたものですが、インドネシアの原発で(おそらく想定では日本が建設した原発で)事故があり、放射線がオーストラリアまで飛んできて、政府が住民に自宅待機を命じるという架空の出来事から始まっていましたが、まさにそういう現実が起こってしまったのですから、驚くべきことです。冒頭の架空のシュミレーション以外は、アボリジニーの居住区で行われているウラン採掘の問題を取り扱ったもので、採掘にはもちろん日本も深くかかわりウランは日本の原発に送るために掘られているので、まさに日本人も先住民族に対する加害者です。原発というのは、こんな風に誰かを傷つけずに運転することができない、大変罪深いものだということです。

お話会は午後だったので、午前は宇治にお参りに行きました。宇治の橋姫神社にお参りに行ったら境内でこんなものを見つけました。橋姫様も怒ってらっしゃるということでしょう。

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2014年10月24日 (金)

京都とのつながり

子供の保養を受け入れてもらった関係で、京都で被災地や原発事故に関する話をする機会をもらった。今日は会場で打ち合わせをして、明日とあさってそれぞれ異なる場所で話をさせてもらえる機会をもらった。うまく伝えられるか不安なところもあるが、震災と原発事故から3年半に経験したこと、考えたことを話してみようと思う。

今日は少し時間が取れたので、リニューアルした国立博物館へ行ってみた。

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行ってみて気づいたのだが、日本のアニメの原点『鳥獣戯画』の本物が見れる展示会が開催中。これは良かったと早速入場したが、長蛇の列。それも、入り口とさらには、展示室のお宝の前の2か所で。それでもこれを逃したら一生見るチャンスはないかもと思って、我慢して並んでやっと見れたが、やっぱりほほえましくておかしくて笑ってしまう。本当に表情豊かによく描けている。どんな優れたアニメーターがいたのだろう。

河北新報に「空海」のことを高本薫氏が連載している。それを読んでいて改めて密教のことを考えていたので、東寺に参詣。空海の思想や事績のことを知ってから来ると、仏像の見方などが違う。前は、近くから見てもあの有名な五重塔だよなくらいにしか思わなかったが、秘密の真言がこの塔にも仕込まれているのだ。

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京都には地元発の優良企業もある。「オムロン」などが有名だが、この会社も京都。今度学校で道徳を正式な教科にして愛国心を植え付けようとしているが、本当の愛国心は、「モンサント」社なんかに国を売らないで、こういう国産企業を応援することだと思うのだが、やはりぼくの愛国心は、愛国心を声高に主張する人たちとどうもずれているらしい。

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2014年10月22日 (水)

人間の条件・第3部・4部

桜井薬局ホールで映画『人間の条件』第3部・4部が上映されている。主催者の話では週末には結構若い人の来場もあったということだ。第3部・4部では、主人公梶は満州の国策鉄鉱会社で現地人労働者に同情的だったため、憲兵ににらまれ、赤紙(召集令状)が届く。満州の関東軍に初年兵として兵営入りするが、そこは徹底的に暴力が支配する世界であった。初年兵は、人として見られずちょっとしたミスにいちゃもんをつけられ、暴力で制裁される。暴力で徹底的に人間性を奪い、思考を停止させないと戦争は出来ない。そういう軍隊と戦争の不条理が描かれる。暴力に耐えかね、古参兵にはむかうものや、逃亡を企てる者も出てくるが、いずれの企ても成功せず、余計にひどい抑圧が加えられる。(勝新が主演の「兵隊やくざ」では、勝新が痛快にも古参兵をぶっ飛ばし、軍隊からの脱走もうまくいくのだが、そんなケースはごくまれであろう)

主人公の梶は射撃の腕がよく、やがて上等兵に昇進する。彼は自分の初年兵の時の経験から、自分の部下には暴力は振るわないと決めるが、そのやり方が生ぬるいと、梶自身に暴力が加えられる。やがて、ソ連が国境を越えて進軍してきて梶の軍隊は玉砕という美名の壊滅状態に陥る。兵隊の中にもドイツが負けたといううわさが少しずつ伝わり、もう少しで戦争は終わるということが語られ始めた時だ。

ちょうど今日の河北新報では「特攻」の特集が行われていた。作家の保坂氏の意見が参考になるのでその要旨をまとめると、特攻作戦は、日本の指導者と軍部がある時期から日米の軍事力の差を客観的に見ることをやめて、ひたすら闘い続ける自らの姿に酔いしれたところから始まると書いている。『人間の条件』の中にも、ソ連の戦車隊に地雷を掲げて飛び込むように命令される古参兵が描かれている。そして、軍の学校を出たエリートたちの中には、合理的に物事を考え、客観的に勝てないと考えていた人物もいたことも描かれている。主人公梶の知り合いの将校はそういう合理的な人物であったが、玉砕作戦の主張に巻き込まれて戦死する。

作家の保坂氏のまとめによると、特攻隊の評価は「彼らの死があって戦後日本の繁栄がある」とする英霊論と、無駄死にだったという「犬死論」に分かれるという。どちらの立場にも欠けた視点があることを指摘している。たくさんの死の後で日本の繁栄があったことは事実だが、映画では、戦車に地雷を抱えて飛び込む兵隊は、死にたくないと言っていた。そして、映画では、もう人手が足りずに、学生や40歳以上の人の兵隊の動員も描かれ彼らも死んでしまうのだが、それぞれの人の生と死には背負っているものも含めてあるわけだから無駄死にとされてしまうのも忍びない。最後に、保坂氏の指摘を引用する。「今、特攻隊は立派だった。美しい生き方だった』とする英霊論が広がっているが、当時の指導者を免罪にする考え方で非常に危険。歴史を謙虚に見つめる姿勢を忘れてならない」。そのために映画『人間の条件』を見てみる必要があるのではないかと思う。

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2014年10月21日 (火)

小渕優子さん

小渕優子さんが大臣を辞任するが、それは小渕さんが原発の再開に積極的でなく、経産省に自然エネルギーの買取りを指示したからだろうか。だから、官僚に後ろから刺されたのだろうかと、つい何でも疑心暗鬼の目で見てしまう。早速、鹿児島の川内原発では地元自治体や県が再開受入れへ向けて動いている。福島原発事故の検証もなく、「安全なので火山の噴火は考慮しなくてよい」「事故があっても、地元住民の避難計画は立てなくてもよい」という考えで再稼働する。

福島の事故が政府に検証されないのは、事故は大したものでない、事故で死んだ人は一人もいない、という認識だからだ。実際、原発事故では、病院や介護施設などに取り残されたり、移動の過程で亡くなった人も多い。だが、日本国の公式見解では死亡した人はゼロだ。だから原発事故は大したものではないし、他の原発を再開するときも事故の影響は考慮しなくてよいとなってしまう。こういう認識ができた流れは、そもそもチェルノブイリの事故で死んだ人はわずか10人足らずという認識だし、その認識のもとは国際原子力機関が作ってきた放射線の影響は大したものでないという、科学を装った見解だ。だから、私たちはさかのぼってチェルノブイリ事故の検証をしなくてはいけないし、国際原子力機関の論説に科学的に挑戦していかなければならないし、福島の事故を知っていて事故が起きればどうなるかを体験した人が、自分たちが見たことを経験したことをどんどん語っていかなくてはならない。

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2014年10月19日 (日)

悪童日記

<アゴタ・クリストフの「悪童日記」は衝撃的な作品だ。舞台はどことも設定されていないが、おそらく筆者の体験から言えば、第2次大戦中ドイツに占拠されたハンガリー。だが、どことも具体的に設定されていないということが、戦争という本質を読むものにわからせてくれる。つまり、もし戦争が今起これば、この日本にもそしてどの国にも悪童のこの双子の兄弟に降りかかったようなことが起こるということを示しているのだ。

素晴らしい文学作品が西側でなく、自由のない第2次世界大戦後の東欧から出たということは素晴らしいし、何か示唆的なことだと思う。旧東ドイツをはじめチェコ・ハンガリーなど共産圏には自由がなかった。それをもって、西側諸国の勝利だとか自由主義の勝利だとか軽々しく考えないでほしい。東欧諸国で起こった自由の圧殺は、すぐにでも簡単にこの日本でどこにでも起こりうる。それほどに、人間は権力に弱いし、簡単に権力に操られ屈服する。だから、ぼくは自分が弱い人間だからこそ、戦争とか全体主義を憎むのだ。ぼくがそういう状況の中で良心を保とうと思っても、ぼくはそれほど強い人間じゃない。

だがこの悪童日記の双子の兄弟はどうだ。小学生くらいの子供が、ものすごい強い意志を持って、不条理な世界を生きていく。そして、衝撃のラスト・シーンが訪れる。この悪童日記のテーマは、のちほど作者によってバリエーションを奏でて書き継がれていく。「悪童日記」『二人の証拠』『第3の嘘』が3部作と言われている。3作全部を読んでみると、何が一体真実だったのか、ということが分からなくなる。だが、現実として矛盾したりすることこそが小説的には真実だったり、かえってそれが人生の真実をより強烈に照らすことがある。「悪童日記」は、映画も制作されたということを先日映画評で知った。仙台でかかってくれることを望む。見てみたいものだ。

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2014年10月16日 (木)

宮島望『みんな神様を連れてやってきた』

著者は、北海道で「共働学舎」をやっている。農場でチーズを作っている。苦労をしたがチーズ作りで賞をもらうほどになった。おそらくその農場のチーズはインターネット販売などでも人気だと思う。自由学園の出身だ。この学校の素晴らしいところは、自分の頭で考え、行動する人を作るというところだ。普通の公教育なのではとてもできない人材を輩出している。北海道で一から農場を初めて成功に導いた。自分だけのためでなく、多くの人が働ける場所のためだ。そして、その受け入れて人たちは、どのような人かというと…。ぼくが共感した、言葉を引用しておく。

「家庭でも学校でも職場でも、そこにいられなかった人たちは、その組織のゆがみを個人として背負わされてしまった人たちだ」

「社会の中で存在する意義を見出されなかった人の中に次の社会を作り出す新しい可能性を見つけることができる」

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2014年10月14日 (火)

人間の条件

街中映画館桜井セントラル薬局で「人間の条件」が上映されています。全部で9時間の大作。それを3週に分けて上映しています。若いころの仲代達也さん、新珠三千代さんが主演です。満州の国策会社で働きヒューマニスト的な理想を持っていた若者が戦争に巻き込まれていく様子が描かれています。古くて地味なテーマの映画にもかかわらず祝日の13日はずいぶん客席が埋まっていて、こんな盛況の桜井薬局ホールははじめてだったのでは?満州で掲げられたいた五族協和の実態や慰安婦と捕虜の悲恋が1部・2部では描かれていました。慰安婦役の淡島千景さん、有馬稲子さんもきれいだったです。

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2014年10月12日 (日)

化学物質の脳への影響

2014年10月8日付の河北新報の記事を紹介する。東北大学では「サイエンスカフェ」といって一種の市民向けの講座を開いていて研究の成果等を分かりやすく教えてくれる。この日の記事はマウスを使って化学物質が脳にどのような影響を与えるのかを調べた実験を紹介している。化学物質の影響は成長段階によって、つまり脳の成長段階によって影響が違う。幼弱期に投与した場合少ない量でも異常行動があらわれ不安や恐怖に対応できない異常行動が起こるという。成熟期では海馬に大きな変異があり学習記憶の低下がみられたという。近頃ぼくも新しいことはなかなか覚えられないし、思い出そうとしても思い出せないことも多い。もしかして何かしら化学物質の影響なのかとも思うが、でも単に年のせいかもしれない。今度は、どうしたらいつまでも生き生きと知的好奇心あふれる生活が送れるのか、そのヒントとなる記事も読みたいものだ。

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2014年10月 9日 (木)

原発再稼働と核のゴミの処理

10月8日付の河北新報の特集記事で原発再稼働と核のゴミの処理の問題を取り上げていた。内容を要約しながらこの問題を考えてみる。科学者の団体である日本学術会議が、高レベル放射性廃棄物の対策があいまいなまま再稼働を進めるのは将来世代に対して無責任と指摘し、中立公正な組織による国民合意の形成まで電力各社管内で廃棄物を暫定保管することを求め、最終処分をいま議論すべきだと訴えている。

原発推進派の見解はこうだったはずだ。原発は夢のエネルギーでごみを出さない。出たごみはリサイクルしてまた次の原料になる。いわゆる核燃料サイクルだ。だが、記事の指摘によると、核燃サイクル計画は技術的、コスト的に破たん状態。六ケ所村の再処理工場は稼働するめどが立っていない。もう一つの柱である高速増殖炉(福井県のもんじゅ)も長期間停止している。推進派は金の掛け方が足りないからできないのであって、本気でやるつもりになれば夢の核燃サイクルは実現できると思っているのだろうか。

さて、そうなると今ある核のゴミはしばらく行き場のないまま保管ということになるが、乾式貯蔵という金属製またはコンクリート製の入れ物に入れて地上に30年から50年置いておくという方法があるという。この間にごみの処理をどうすべきか、つまり燃料サイクルを続けるのか、日本のどこかの手を上げた自治体の地下深くに埋めてしまうかを議論すべきだという。もちろん喜んでうちの土地に埋めてくれという自治体は出てこないだろうが。

素人的に考えれば、ごみの処分方法も決まっていないのに、原発を再稼働してまたごみを増やしてだれが責任を取るのかと思うのだが、ごみの問題なんかよりも原発を動かすことでメリットというか利益があると考える人がいるのだろう。だから原発再稼働に向けてコストもいとわず、その方向に突き進んでいる。東北電力は、自然エネルギーの受け入れを中断した。その説明会には業者の人たちが押し寄せ、「銀行に金まで借りて事業を始めたのにどうしてくれるんだ」と怒りが渦巻いたという。もうすでに東北では最低需要期の電力は自然エネルギーの出力で賄えるくらいに、再生エネルギーの建設が進んでいる。それなのに、東北電力は女川原発の再稼働に向けて一生懸命だ。どうしてそこまでこだわるのか、素人には分からない魑魅魍魎の世界がそこにはあるのだろうか。

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2014年10月 7日 (火)

ノーベル賞ウイーク

今週からノーベル賞の発表が相次ぐ、ノーベル賞ウイークが始まりました。注目はノーベル平和賞です。スウェーデンの民間機関は、日本の憲法第9条を有力候補として挙げているようです。ぼくは受賞を大いに期待しています。そもそも憲法9条をノーベル賞になんて誰が発想したのでしょう?神奈川県の女性だそうです。ごくごく普通の女性の思いついた発想でも、大きな広がりを持った動きとなる、今はそんなことが可能な時代です。ぼくも日本国憲法をノーベル平和賞にというキャンペーンにインターネットで賛同の署名をしました。

ところでノーベル賞は一面で平和賞をはじめ非常に政治的であるということは事実です。その時々の政治的課題に反応するような人に賞を与えたりします。特に強権国家はそのことに対しては反発します。古くは、ソ連の独裁体制を批判した反体制作家のソルジェーニチン氏。この人の「収容所群島」は岩波文庫で昔読みました。つい最近では、中国の人権活動家など。ソ連も中国も激怒しました。最近のノーベル平和賞は女性が多い。これは女性の人権が守られ、女性が活躍できる世界になってほしいというノーベル賞委員会のメッセージだと思います。だとすると、日本国憲法が平和賞に値する時代的背景とはなんでしょう。もちろん、その平和的指向で70年も日本が戦争に巻き込まれるのを防いだということでしょうし、戦争とテロリズムが覆う現代の世界で日本国憲法の精神こそ世界を導く光とノーベル賞委員会も考え世界に向けてメッセージを発しているということでしょう。もし受賞という運びになれば、安倍首相も激怒して委員会を非難し、受賞を断るのでしょうか。

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2014年10月 5日 (日)

特集 原節子と高峰秀子

仙台の街中映画館、桜井薬局ホールで「特集 原節子と高峰秀子」がやっている。昔の名画を3週間で6本上映する。監督は主に成瀬巳喜男。改めて映画を見るとやっぱり名監督だ。ちゃんと人間のドラマがあるのがいい。「流れる」は超豪華キャストだ。高峰秀子、山田五十鈴、田中絹代、杉村春子、岡田茉莉子。田中絹代さんは名匠たちの映画に数々と主演してきたが、この映画ではお手伝いさん役なのだから、何とも贅沢だ。「東京の恋人」では、原節子と三船敏郎。この組み合わせはとても貴重で珍しいのでは?もっとも三船敏郎は背広姿より、やはり黒沢映画での武士の方が似合っていると思ったが。(やはり「七人の侍」がぼくの中では、日本映画の最高作品かなあ) 

こんなにいい映画やってても、めったに混まない桜井薬局ホール。映画見ながらお弁当を使い始める人もいるのんびりした雰囲気。60歳以上のシニアの方々が大勢を占めると思われる観客に打ちまじってぼくも昔の映画を鑑賞してますが、今度10月11日からは「人間の条件」をやります。これは原作も超・超大作だし映画も超・超・大作。上映時間は全部で9時間。3回に分けてやります。

こんな貴重な映画がなぜ見れるかというと、集団的自衛権や秘密保護法に疑問を感じている人たちが改めて戦争ってなんだろうなという話になったことがきっかけでした。もちろんぼくをはじめ先の太平洋戦争を直接経験していない人が大半になってきました。だから、集団的自衛権・秘密保護法に反対するにせよ、賛成するにせよ、戦争って何かを知るには、こういういい映画があるよという話になったのです。若い人たちだけでなく、本当は安倍首相や石破さんのように戦争を知らない指導者の人たちにも見てほしい。戦争は憧れたりするものでなく、かっこいいものではなく、多くの人が苦しむものだということを知ってもらいたいが、彼らには庶民の苦しみや気持ちはきっとわからないのだろうな。絶対に自分たちは安全だと思っているだろうし、死ぬのは自分たちじゃないと思っているのだろうから。

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2014年10月 1日 (水)

福島県環境創造センターの建設

原発事故の後、ぼくは原発をなくすことを目指すいろいろな団体の会員となり、それぞれの人や団体が取り組んでいる運動の状況や現地の問題点などが書かれたニュースレターをもらっている。「フクシマ・アクション・プロジェクト」のニュースレターから、このたび福島県三春町に「福島県環境創造センター」が建設されるという情報をもらった。このセンターが完成すれば県内すべての小学5年生が授業の一環としてこのセンターを訪れることが義務付けられ、放射線教育を受けることになるのだという。

センターの建設には200億円の復興予算が使われ、そしてこのセンターの完成の前に福島県はIAEA(国際原子力機関)と協力の覚書を交わしている。ぼくの認識ではIAEAは原発を推進するがわの団体で、人体への放射線の影響については、原発という便利なものの恩恵を受けているのだから、これくらい放射能を浴びるのは我慢せよ、という基準を作っている国際団体である。「福島県環境創造センター」がもしIAEAの意を受けるであるとすれば、そこで福島県の子供全員に施される放射線教育というのはどういうものになるのだろうか?放射能は少しくらい浴びあってぜんぜん健康に影響はない、むしろ健康にいい、というものになる恐れはないのか?

IAEAはチェルノブイリのあとにも現地に入っていろいろな活動をしてきた。IAEAが入ったチェルノブリはどうなったのか?チェルノブイリの実態を知る専門家を招いたり記録映像を見る勉強会なども「フクシマ・アクション・プロジェクト」では行うのだという。チェルノブイリの事やIAEAのことについては、ぼくももっと勉強してゆきたいと思っている。

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