UA-92533382-1 楽しく闘う: よつば農場便り

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2014年4月14日 (月)

楽しく闘う

原発メーカー訴訟に参加している。この訴訟の事務局の朴さんと主任弁護士の島さんが仙台に来てくれて、宮城や福島の原告に加わったわたしたちと会合を持った。そもそもぼくがこの訴訟に加わったのは、素人の素朴な疑念からだ。ふつう、欠陥商品を作って事故を起こした企業は、その責任を問われる。法律上は賠償責任が生じる。だが、原発メーカーだけは「原子力賠償法」によって、どんなに酷い事故を起こしても免責となっていて、一切責任を問われることがないし、現に製造企業の幹部は誰一人として謝罪していない。法律上は、確かにそれでよいのであるが、素人のぼくは、それは道義上・倫理上おかしいのではないかと思ったし、憲法で保障されている健康で幸福に暮らす権利をふみにじるような法律があること自体、素朴におかしいと思ったのだ。

専門家的に見れば、すなわち法律論としてみれば、メーカーの責任を問うこの裁判、勝ち目はない。下手すると、裁判になる前に門前払いの可能性がある。だが、そこをどういう理論や構成で闘うのか、島弁護士が説明してくれた。説明を聞いていると、何だか勝てそうという予感すら覚えた。

島弁護士はとても楽しい人だった。ロックミュージシャンだった人で、今でも歌ってコンサートをしているそうだ。音楽活動をやってきて、ある時弁護士になろうと決心して、なってしまった人で、ロックン・ローヤーとギャクを言って笑いを取っていた。楽しく闘いましょう、と言っていたが、その通りだと思う。相手の権力・金力は膨大なので、勝てる確率はとても低いということは素人のぼくだって分かっている。しかし、この訴訟の提起そのものに意味がある。原賠法のばかばかしさ、すなわちこういう馬鹿げた法律がないと、原発なんて採算が合わないのでまともに取り組む会社なんてないんだということ、そして原賠法と同じような法律が世界中にあるから原発が世界中に建設されてしまう、ということが知られるきっかけになれば、それで意義があると思う。

つい深刻になりがちなぼくは、島弁護士のように困難な時やピンチの時にジョークが言えて前向きに物事をとらえられる人になりたいものだと思った次第だ。

原告人に加わったり応援したりすることができます。訴訟の会のホームページはこちらです。

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コメント

 昨年の「福島原発告訴団」の告訴・告発に対して検察庁は「全員不起訴」という処分を出しました。
 とんでもない甚大な被害と誰一人として責任を問われないという寛大な処分に納得することはできません。
 それでも「おかしいことはおかしい」と言い続けなければ、それを認めたことになります。そう思い直して原発メーカー訴訟の会に署名簿を送りました。

投稿: まゆ | 2014年4月15日 (火) 22時02分

署名簿、送ってくださり、ありがとうございます。電力会社の幹部の不起訴など、ぼくたちにとっては不条理なこと、そういうことがたくさんあります。そして、過去にもたくさんありました。でも、人類はそういう不条理と向き合いそれを乗り越えてきたのだから、まゆさんの言う通り「声をあげつづける」ことが必要だと、ぼくも思います。

投稿: 原田 禎忠 | 2014年4月20日 (日) 10時55分

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