UA-92533382-1 北山耕平訳『虹の戦士』: よつば農場便り

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2014年4月20日 (日)

北山耕平訳『虹の戦士』

原発事故後、保養の企画などをして支援してくれている関西の人たちと知り合うことができた。その方から『虹の戦士』という本を借りて読んだ。これは、ネイティブ・インディアンの伝説というか予言、口承を紹介した本である。彼らの言い伝えによると、地球文明が新しく生まれ変わる前に、ネイティブ・インディアンは殺され土地を奪われ迫害を受けるが、その中からネイティブ・インディアンが伝承してきた精神性に目覚めそれを伝える者が現れ、そのものによって地球文明が新しく生まれ変わるというものだ。その、「大いなる精神性」に目覚め受け継ぎ伝える者たちを「虹の戦士」というのだそうだ。

ネイティブ・インディアンたちが持っているこの精神性の影響はとても大きい。グリーンピースという環境保護団体も、「虹の戦士」の伝承に影響されて設立されたということを今回初めて知った。もともとぼくは、アメリカのような物質文明優先のところで、そういう環境保護団体など生まれないと思い込んでいたので、てっきりグリーンピースはヨーロッパ生まれだと思い込んでいた。

『虹の戦士』を読んでいろいろ感じるところはあったが、白人のネイティブ・インディアンへの迫害・殺戮・収奪のことを考えた。「世界史」は勝者の歴史だ。簡単に「コロンブス、アメリカ大陸発見」とか「スペイン、インカ帝国を征服」とか教科書に書いてあるが、その陰というか、その実態は、何百万人規模という大量虐殺だ。日本人の過去もそう誇れるものでもないが、残忍さ残虐性はヨーロッパ人にはかなわないと思う。そう思ったのは、ジャレット・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」を読んだからだ。この本には、その大量虐殺のことが書いてある。

だが、ここでぼくはヨーロッパ人、アメリカ人、白人の告発をしたいわけでない。ネイティブ・インディアンをはじめ、世界中のネイティブの人たちのことを考えたいのだ。彼らは、一見すると弱くて征服され取り残された人たちだ。ヨーロッパやアメリカの物質文明や科学文明が世界を席巻し、そちらの文明の流れについていこうと、黄色人種の日本人も夢中になっている。勝っているのは、ヨーロッパ人やアメリカ人のように見える。だが、どうだろう。どう見ても彼らの文明は長続きするとは思えない。絶対に新しい「転換」点がやってこざるを得ない。

その転換点がやってきて、世界の先頭に立つのは、ネイティブの人々が持っている精神性に違いない。その時、ネイティブ・インディアンの人たちはどうするか。白人の仕打ちに対して、復讐しない。復讐するのでなく、その精神性を彼らにも分かち合い、伝え、白人の中からも目覚めた「虹の戦士」は出ると予言しているのだ。『西部開拓』という歴史の中では白人はネイティブ・インディアンをとても酷く虐待し追いやった。だが、本当の勝者は誰なのだろうか。「強い」とか「弱い」というのはどういうことなのだろうか。

こんなふうに思うのは、いまぼくは『老子』の自由訳を作っているからだ。『老子』も弱いこと、柔らかいことを盛んに推奨する。とてもとても、今のこんな世の中では「弱さ」を持っていては生きていられない。だが、「弱い」ということに、本当に深い智慧があるのでないかと、少し実感でき始めているのだ。

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