UA-92533382-1 森林とセシウム: よつば農場便り

« 新たな神話 | トップページ | 『憂国』2.26事件 »

2013年12月20日 (金)

森林とセシウム

宮城県の調査で、杉林の落ち葉層と土壌の放射性セシウムの濃度が時間とともに上昇していることがわかった。福島原発の爆発事故では、放射性物質が大量にまき散らされた。田、畑、山林、学校の校庭などいたるところを放射能で汚染した。放射性物質は、半減期のせいで、普通は時間の経過とともに安定物質へと遷移し、放射線を放出しなくなるが、広大な山林に降った放射性物質はどうやら違う動きをしているらしいということだ。チェルノブリの事故と福島の事故では、国土の植生などが違うので、この福島原発の事故は決して「終わった」ことにしないで、何十年、何百年の間事故の検証と被害調査を継続していかなければならない。それが、「科学」の正しいありかたでもあるし、被害者の願いでもある「二度と同じような苦しみを味わう人がいませんように」との願いに応える道である。

杉林のセシウム濃度が上昇する仕組みはこうらしい。葉が入れ替わるのに5年かかる。ということは、原発事故当時の汚染物質が、今の杉林の葉には大量に降り注いでいる。それが雨で流されて林床の落ち葉層や土壌に浸透する。データによれば、落ち葉層で1キロあたり4万2759ベクレル、土の層では3225ベクトルで、それぞれ1年前の調査よりも増加している。とんでもない汚染度だ。杉林は、ぼくの生活では、焚き付けの好材料である杉の葉をたくさん集めていた。それが、やはりこんなに汚染されてしまって悲しい。しかも、時がたつにつれますます汚染度は増していくのだ。里山に依拠した薪ストーブや薪風呂の生活は、最先端の生活だと自負していたが、そういう生活を根底から壊してしまうのが原子力発電だ。

とにかく、これから何十年、何百年とデータを取り続けて、原発の是非の科学的根拠にしないといけないし、そもそも学者っだって初めてのことで、環境中の放射性物質の振る舞いなんて知らないのだし、どんな教科書にも書いていない、まさに最先端の科学的知見なのである。政府が自分たちに不利になるそういう調査を継続してやっていくとは思えないし、宮城県も続けてやっていくだろうか。私たち市民が、力を合わせてそういう調査をやっていく必要がある。そのためにも、各地にできている市民放射能測定室を、皆で支えていく必要がある。

|

« 新たな神話 | トップページ | 『憂国』2.26事件 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 森林とセシウム:

« 新たな神話 | トップページ | 『憂国』2.26事件 »