UA-92533382-1 モバイルハウス: よつば農場便り

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2013年9月20日 (金)

モバイルハウス

宮城県の地元新聞紙河北新報が、建築家坂口恭平氏の「モバイルハウス」の紹介記事を掲載していた。この記事を見て、触発されたし、うれしくなった。

「モバイルハウス」とは、移動式家屋のことで、坂口氏がホームレスの人の知恵から学んだ広さ2畳、総費用2万6000円でできる住居だ。法律上「家」とはみなされないので、固定資産税はかからない。電気は太陽光パネルで発電し、バッテリーにため、部屋の照明やパソコンを賄う。「モバイルハウス」を置く場所さへ確保できれば、都心にだって安く住むことが可能だ。確か、坂口氏は、自身が熊本で、原発事故避難者や震災被災者のために、土地を提供し、「独立国」を営んでいたと思ったし、記事によると、坂口氏の賛同者が伊豆地方の山を一つ提供する話になったということだ。

坂口氏のモバイルハウスの話の根底には、この国の戦後を強固に支配していた体制の終わり声が聞こえる。この国の政治家や企業家は認めたくないことだろうけど、今後の日本社会の最大の問題は、空き家問題だ。この先日本の人口が8000万、6000万と少なくなっていく。過疎地から順番に、無人の空き家がどんどん増えていく。

この国の戦後のモデルは、人口も経済も増えて大きくなるということを前提にやって来た。そのいい時を味わってしまった人たちが、いまだに夢を追いかけていて、いくらでも公共工事や大規模宅地開発をやり、自然を壊しでてもやり続ければ、永遠に経済は必ず前年よりも大きくなると思っている。ところが、自然の限界を超えてまで、経済は大きくならないし、無理やり大きくしたところで人間の幸福が増えるわけでもないということを、今の若い人たちなどは本能的にわかっているのではないだろうか。新車が若い人の間で売れなくなったといわれるが、無理をしてまで新車を買わなくてもいいと思っているからだろう。

坂口氏の「モバイルハウス」は、この国が当たり前としてきた前提を崩してしまう。賢い支配者であれば、彼の危険思想に気付いて、逮捕しなければいけないところだ。「モバイルハウス」の賛同者が増えれば、原発もいらなくなるし、大規模送電網もいらなくなるし、土地にも家にも縛られなくなるし、とにかく、原発・公共工事・見返りの票といった、戦後70年を支配していた前提がなくなってしまうわけだ。

江戸時代が終わったのは、幕府を倒そうと誰かが武装蜂起したわけではない。江戸時代の前提が、もうすでに徐々にくづれていたのだ。江戸時代に生きていた人は、誰もが米を作りそれを年貢で納め、それが武士の禄米となるという前提をうたがわ無かったろう。だが、何らかの要因の積み重なりでその前提はくづれていたのだ。坂口氏のところには、興味を持った人がたくさん訪れているという話だし、伊豆の山を一つ提供したなんてスケールの大きい賛同者も出ている。絶対に倒れないと思っていたものだって、こうしていろいろな要因の積み重ねや偶然で、必ずいつか終わりの日が来るのだ。たとえ東京オリンピックで多少の延命があったとしても、歴史の運命は変わらない。

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