UA-92533382-1 風評: よつば農場便り

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2013年9月 4日 (水)

風評

東京にオリンピックが来ようと来るまいと、ぼくには別に利害が絡んでいないので、どうでもいいことだと無関心でいる。東京オリンピックに反対する奴は、非国民だなんて、言い出す人がいないことを祈るばかりだ。

さて、風評被害とはなんだろう。明らかにこれは、風評被害だ、というものは、例えば、食品会社Aの食べ物に対して、ライバル会社Bが何の根拠もなく、A社の食品に毒が入っているという風説を流し、その全く根拠のない風雪を消費者が信じることで、A社に損害が生じれば、明らかにこういうのが「風評被害」だろう。

さて、東北の農産物等に生じた風評被害に対しては、とても微妙なところがある。上述の例の根拠のない風説に対して、原発が東北の各地に放射性物質をまき散らし、海にもそれが流れ出てしまったことは事実だ。だが、幸いに、陸上の場合、土に放射性物質がたくさんあっても、農産物にそれが全部移行するとは限らないということが分かった。だから、風評被害を防ぐためには、積極的に情報開示をして、農産物に放射性物質が含まれていないということを科学的に証明することが、いちばん合理的だと思うのだが、話はそうも簡単にいかない。我々原発事故の被害者自身が、事故を直視したくないがために、事故をなかったものにしたいがために、放射性物質の存在を積極的に認めて、これと向き合おうとしてこなかった。だから、積極的な情報開示もしてこなかったし、科学的な測定で無害を証明するということにも消極的であった。また、「泣く子を起こすな」論というのもある。「放射性物質は含まれていません」と、宣言すること自体が、消費者に放射能のことを思い出させ、不安を呼び覚ますことになる、だから、放射能のことには一切触れるなというわけだ。

東京オリンピック誘致の旗振りをしている人たちが、いま「風評被害」を語っている。「風評被害」は、まず言葉の定義から確認しないといけないし、当事者たちにとっては、とても微妙な問題だというのは、上述した通りだ。福島原発が絶対安全だというにもかかわらず、東京でオリンピックをやるのは安全でないという風説が世界に広まっているのであれば、それは東京のライバルが流した「風評被害」だろう。だから、まずは、福島原発が安全であるかどうかの、科学的な検証をして、その情報を開示することが、風評被害を打ち消すいちばん合理的なことだと思われるが、しかし、そこには、上述したように、現実を直視したくないという心理や、「泣く子を起こすな」論などもあり、とても微妙な問題になるのだ。加えて、情報提示者である、東電や日本政府は、本当に信頼できる情報提示者であるかという問題や、事故の現状が科学的に把握できて評価することなど果たしてできるのかという問題もある。

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