UA-92533382-1 Lovelock氏の原発観: よつば農場便り

« 山本二三原画展 | トップページ | 強い風でした »

2013年4月 6日 (土)

Lovelock氏の原発観

ガイア理論の提唱者Lovelock氏は原発推進派だ。彼ほどの著名な科学者の言動なので、その影響力は非常に大きい。日本の推進派の学者たちにも大きな影響を与えているはずと思う。彼の著作を読んだので、彼の考えをぼくなりの整理してみる。これは、日本の推進派の人たちのことを理解するためにも役立つと思う。

まず、Lovelock氏の考えは、放射性物質は自然にも、人間にも良いものだ言うのがそもそも根本にある。放射能漏れの事故現場で人がいなくなったところでは、生態系が素晴らしく保たれているし、生物には害がないとのこと。また彼は、原発から使用済み燃料をもらってきて、自宅の地下か何かのコンクリートで固めた部屋に保管し、使用済み燃料から出る崩壊熱で暖房を取りたいという。もし、そうしても家族の健康には害は出ないという。

日本でも、原発事故後に、放射能は体にいいんだといった学者がいたが、Lovelock氏と共通する考えだ。Lovelock氏は、放射能は自然や生物たちには無害だというが、いま、福島の飯館村の牧場では馬が変死しているということだ。獣医さんたちがきっちり調べて、放射性物質は本当に生物に無害なのか記録を残してほしい。なお、Lovelock氏の名誉のために言うが、彼が原発を推奨している理由は、地球温暖化こそが、地球生命体であるガイアを殺してしまうからという、危機感からだ。人間活動こそが、自然に最悪だということは、ぼくも彼に共感する。

原発推進派の人に共通するのは、チェルノブイリ事故の評価の低さだ。Lovelock氏も、チェルノブイリ事故で死んだ人は、爆発時に駆け付けた消防士など70数人だけだという。また、チェルノブイリ事故で人間の死亡率がどれくらい上がったかということに関しては、例えばヨーロッパでは、人間の平均寿命がほんの数分短くなっただけで、70何歳の寿命が数分短くなっても、なんら恐るるに足りないということだ。

平均寿命の話は、ぼくに統計学のことをまた考えさせた。確かに、科学的には、Lovelock氏の言うとおりだと思う。だが、普通の人の考え方・感じ方とは大きく離れている。素人は、事故や災害の時にパニックになるのだから、Lovelock氏のような科学者の科学的な考え方こそが、素人のパニックを防ぎ、冷静に行動させるというのが、日本の原発推進派にも共通した考えだ。だが、前にも書いたが、素人は科学的・統計的見方はせず、違う風に感じる。自分が病気になれば、100パーセントの確率であり、ならなければ0パーセントの確率だ。原発事故も、統計学者は飛行機事故よりも少ないというが、普通の人にとっては、自分の周りで起きれば100パーセントだし、起きなければ0パーセントなのだ。

どちらが正しいかと争えば、もう決着はつかないだろう。二つの違う発想があり、それを認めてその上に新しい学問領域を作るのが一つの解決法だ。また、科学とは違う政治の分野では、人の気持ちに寄り添う、つまり「共感」から入っていく方法を取るべきだ。現今の、科学的・統計学的発想で、人々にアプローチしていくのでは、普通の人は納得できない。

|

« 山本二三原画展 | トップページ | 強い風でした »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Lovelock氏の原発観:

« 山本二三原画展 | トップページ | 強い風でした »