UA-92533382-1 ガイア: よつば農場便り

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2013年3月16日 (土)

ガイア

James LovelockのThe revenge of Gaiaを読んでいる。Lovelock氏は「ガイア」という発想の生みの親だ。ガイアとは、生命体としての地球ということで、地球全体を自律性・恒常性を持ったひとつの生き物のようにとらえる思想で、環境問題を考えていくには重要な発想になっていく。もともと、東洋や日本には、自然すべての命を尊ぶという発想はあったが、西洋で発達した科学―これは物質と心を分離し、対象を客観的に細かく分析していくことで発展してきた―の中に、科学の新しい発想としてガイアという概念が受け入れられるのはとても意義あることだと思う。

さて、このLovelock氏は、原発も核融合にも賛成している。この著作が福島原発事故の前に書かれているということもあるのだが、ガイアを提唱する人なら原発も核融合にも反対するだろうというのは、私の先入観だった。氏の意見として印象に残っている個所は、「どうせ人間は3分の1ががんで死ぬのだから、放射能で多少がんのリスクが上がっても、くよくよするな」ということだ。

これは、先日引用した読売新聞の社説と同じであるし、福島県の医療アドバイサー山下氏や宮城県の医療アドバイザー川島氏とも同じ意見である。というか、Lovelock氏の影響力を考えると、原発推進派の意見は、彼から大きな影響を受けているということだ。

素人としては、彼らの意見は部分部分はあっているが、(例えば「3分の1の人ががんで死ぬ」とか)、だが全体としてはどこかおかしいと直感的に感じる。しかし、数学や統計学に通じていない悲しさ、それを同じ学問的な土俵に立って科学的に反論することができない。(やはり、数学や統計学といった大事な学問を昔サボったことは後悔される。その時にならないと、なぜこの勉強が大事なのかというのが分からないのが、人間の悲しいところだ)

原発事故後は、推進派の学者も数多くマスコミに登場したが、そういう専門家の罪深さは、数学や物理といった、素人が最も苦手な分野をたてに、議論の方向を見えなくしようとしたことだ。もちろん、今回の事故で痛切に思うのは、専門家にお任せして騙されないだけの科学的リテラシーを、市民側も身につけなくてはいけないということだ。

さて、数学と統計学はいずれ勉強しなおすとして、彼らの意見の変だと思うところを、素人の直観で述べると、病気になるかならないかは、本人にとってはなれば100パーセントだし、ならなければ0パーセントなのではないかということだ。自分の子供のことを思う時も同じで、病気になれば100パーセントだし、ならなければ0パーセントで、つまり、普通の人はなるか、ならないかでしか考えない、ということで、これが多くの素人=非専門家の感じ方だ。

例えば、ポリープが見つかって、医師から何センチのポリープであればがんになる確率が何パーセント、と言われても、それが本人にとって意味があることなのだろうか。本人にとっては、なるか・ならないか、100か0でしか考えられないと思う。

例えば、病院で、こういう100か0でしか考えられない、素人一人一人を本気で対応していたら、とても手間がかかり大変だと思う。やはり、確率何パーセントで考えて、流れ作業的に対応していくのが楽であろう。医療関係者でありながら、原発擁護の福島県の医療アドバイサー山下氏や宮城県の医療アドバイザー川島氏の発想はこういう発想なのだろうと思う。

それに対して医師の鎌田實氏などは、彼の著作を読むとわかるのだが、100か0でしか考えられない患者に対し、患者の発想に寄り添って対応した。こういう対応では、医療従事者も体が持たないほど大変だと思うが、これが鎌田氏が長野の傾いていた病院を建て直したやりかただっだ。そして、鎌田氏が原発に批判的なのも偶然ではないと思う。

さて、考えるとこの問題は難しい。午後は、町に出て意思表示のためにウォーキングをしてこよう。今日は仙台で大きな集会とデモが予定されている。

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