UA-92533382-1 核のごみ処理: よつば農場便り

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2013年2月11日 (月)

核のごみ処理

昨晩のNHKスペシャルでも、原発から出た核のゴミの処理問題を取り上げていた。他国の取材をしていたが、一つは、スイスの「乾式」という処理の仕方が参考になるのかと思った。まだ不勉強でこの「乾式」という科学的仕組みがよくわからないが、ごみを鉄製容器に閉じ込めるので放射能がもれないし、水で冷やし続けなくてもよいので停電でも大丈夫だということであった。

さて、そういう取材の後、日本はなぜ相変わらず原発を推進し続け、核燃料リサイクルをやるのか、について取材をしていた。実は、数年前に経済産業省の若手官僚の中から「核燃サイクル」は無駄という上申書が提出されたが、幹部が握りつぶしたという。また、原発事故後も、官僚、原子力委員会、日本原燃が何度も秘密会議を開き、原発維持、核燃サイクル維持のシナリオを作っていたという。だが、その秘密会議の声を録音していた人(疑問を持つ官僚?)がいて、電力側が、ここで原発をやめられたら自分たちが困るので何とかしてくれと、哀願を繰り返す様子が公開されていた。また、覆面で声を変えた官僚もインタビューに応じて証言していた。

原子力ムラの狭い世界で自分たちだけの利益を守ることだけに汲々としている様子はよくわかり、許せないことだと思ったが、ひとつ救いなのが、原発も核燃サイクルもこのままじゃだめだと思っている官僚もいるのだということだ。本当の国益、国民の利益を思ったら、何が正しいことだかを考えている真の愛国的な官僚だっているのではないか。そうでなければ、秘密会議の会話が漏えいすることもないだろう。

つい最近、経済産業省から、発電と送電分離の案が出されたときは、また何か裏があり、結局彼らだけが得する仕組みかと疑ったが、どうやら今までのやり方に疑問を持ち、真の国益を考えている官僚もいるのではないかと、少し希望が持てた。原発・核燃サイクルをやってもサークル仲間の狭い範囲の人たちだけが利益を享受するだけで、現に原発事故で何十万の人が故郷を失い、海も山も汚染され、今まで受けていた自然の恵みを失い悔しい思いをしている人たちがたくさんいるのだ。少数のサークル仲間と、大多数の国民、どちらに立つことが本当の意味で国を愛することなのだろうか?改革派の官僚がつぶされないように応援する。彼らは真の愛国者だ。

番組では、原子力委員会の副委員長がインタビューに答えていた。彼によれば、「今まで電力会社と一体となって、原発・核燃サイクルを進めてきた人たちが、これをやめようなんてことは、どだい無理なこと」だそうだ。ノーベル経済学賞を取った心理学者Daniel Kaheman氏の著作にCEO(企業経営者)の話があった。あるプロジェクトを推し進めてきたCEOは、投資した金額が大きくなればなるほど、そのプロジェクトの成否を客観的に判断することができなくなり、やめることができなくなり、結局大きな損失を招いてしまうという。もし途中でやめれば、自分が無能な企業経営者だというレッテルを張られたりするので、見込みのないプロジェクトにしがみつくという。だが、新しく途中で迎えられたCEOは、客観的にそのプロジェクトの見込みを判断できるので、駄目なものはダメといわゆる「損切り」ができるという。 

原発も核燃サイクルも今まで膨大な金額が費やされてきた。成功の見込みはないし、経費がみな電気料金に転嫁されて国民が高い金を払っている。だが、上に書いたとおり、今まで推し進めてきた人間が止めると、言い出すのは人間の心理から言っても不可能なのだ。改革派の官僚に内部から頑張ってもらったり、外からは私たちが声を上げ、そして原子力委員会のメンバーに、子供のいるお母さんなど全くの「素人」が入れる人選にしなければならない。

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