今年は、急に寒さが来ましたが、今日は朝から穏やかに晴れ、暖かい日になり、11月の農的生活の体験会を無事に開催することが出来ました。
遅くなりましたが、古代米を刈取り後、乾燥していたので、昔ながらのやり方で脱穀体験をしていただきました。
足踏み脱穀機です。同じ方向に回し続けるのは案外難しいのですが、皆さんすぐこつをつかみ、最後は、リズムも形も決まり、上手に脱穀することが出来ました。
それにしても、昔の人は偉い、というのが感想です。米にしろ、雑穀にしろ、人の口に入るまでは、気の遠くなるような作業の行程があり、しかもそれはみな手作業です。
今の、私たちは、その先人の苦労や知恵を、少しでも知る必要があるのではないでしょうか。
次は、干し柿つくりに挑戦するために、まずは柿取りです。高いところにある柿を、昔ながらの竹ざおを使ってとります。さおの先にはちょっとした工夫がしてあって、柿がついている枝を、ぽきっと折ることが出来ます。
枝がついていないと、紐につるすことができないので、干し柿に出来ません。
私は、このさおでやるやりかたを、お隣の丸森町で習ったのですが、実際にやってみると、なかなかうまくいかないものです。教えた私よりも、参加者の方のほうが上手でびっくりしました。
干し柿にする柿を十分に採ったら、お昼です。今日は、よつば農場の畑で取れた野菜をメインに出しました。きゃべつの温野菜サラダや、サツマイモを豆腐であえたサラダなど、参加者の皆様には好評だったのではないかと思います。
小さいお子さんでも、二十日大根をポリポリかじってくれて、野菜をどんどん食べてくれるので嬉しかったです。
昼食後は、柿の皮をむき、紐に結んでいきました。干し柿つくりです。一人でやると辛くなってしまうものですが、こういう作業はやはり大人数で、口も手も動かしながらやるのが楽しい。
3時前には、各人のおみやげ分の一人20個の干し柿が完成したのでした。
3時のお茶にして、自己紹介や感想を参加者からうかがって、今日の体験会は和やかな雰囲気のうちに終わりました。参加者どうしの間でも、思いがけない接点があったりして、盛り上がっていたようです。
よつば農場に、皆様が集まり、出会いや学びの場になってもらえれば、それが私たちの願いでもあります。
最後に、柿について、日ごろ私が考えていたことです。
「柿は、日本原産の植物で、学名に日本の名がついています。日本の野菜や植物は、中国原産のものが多い中、柿は日本にしかない大切な果物です。里山に柿の赤い実がなっている風景は、まさに日本の原風景、日本人の心のふるさとの心象風景です。
昔は、冬に食べるものがなかったし、砂糖は非常に高価なものでした。そこで、秋に取れる渋柿を冬の間に干して作る干し柿は貴重な食品でした。干すことにより、渋も抜け、甘みが増し、栄養価もあがる、昔の人はどうしてこんなすばらしいことを思いついたのでしょうか。
今、昔の人の、自然によりそいながら発揮されてきた知恵もだんだん伝わらなくなっています。冬にも食べるものが豊富で、わざわざ干し柿などを食べなくてもいくらでも甘いものがある今は、干し柿は忘れられつつあります。
とる人がいなくて、たくさん実がなったままの柿を、誰も振り返ろうとしません。それが、里の現実です。」
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